2017.02.13 08:36
大川小学校跡地に寄贈したエンゼル像に関するお知らせ(01/16 2017)
当財団では、2013年3月10日(日)、宮城県石巻市立大川小学校校庭跡地に東日本大震災で犠牲になった方々の鎮魂のためにエンゼル像を寄贈させていただきましたが、 岡田光世様の著書である「ニューヨークの魔法のじかん」にて、このエンゼル像にまつわるエピソードが書かれていることを知りましたので、 著者である岡田様の許可を得て紹介せて戴きます。
詳細については、添付
の231頁から233頁をご参照戴ければ幸いです。
「引用出典→書名:ニューヨークの魔法のじかん、著者名:岡田光世、版元(文春文庫)、発売日2014年2月7日」
以下、大川小学校にエンゼル像を寄贈するに至った経緯について、簡単にご説明させていただきます。
1. リチャード・P・エヴァンス氏とエンゼル像
Richard P. Evans(リチャード・P・エヴァンス)氏は、1962年にアメリカ、ユタ州のソルトレーク・シティで生まれ、 家族愛をテーマにした作品を得意とする作家です(http://www.richardpaulevans.com)。 ユタ大学を卒業後、広告代理店に勤務し、仕事のかたわら自分の娘たちのために書いた「The Christmas Box」がクチコミで評判となり、 友人たちに勧められて自費出版したところ、全米でベストセラーになりました。 その後も、次々とベストセラーを執筆し、執筆活動のかたわら、恵まれない子供たちのための慈善活動にも積極的に取り組んでいます (日本では、講談社から、「クリスマス・ボックス」というタイトルで出版されています)。
物語の舞台となったソルトレーク・シティの墓地には、物語の象徴とも言えるエンゼル像が実際に置かれていましたが、 1984年の大洪水によって破壊されてしまいました。 しかし、1994年12月6日、エヴァンス氏により、お子様を亡くされた全ての方々のために、新しいエンゼル像が寄贈されました。 その後、エヴァンス氏の活動が多くの読者に賛同され、全米で次々とエンゼル像のレプリカを設置する動きが広がりました。 今では、世界中の100ヶ所以上でエンゼル像が設置されており、この日本のエンゼル像は、 118番目となります。毎年12月6日(本の中で、女の子が亡くなった日)には、多くの遺族や関係者が集合し、 互いに子供らを亡くされた悲しみを共有し、励まし合っておられます。
2. 被災地へのエンゼル像寄贈
当財団では、東日本大震災の直後から炊き出しや仮設住宅訪問など自立支援活動を続けて、被災者の方々の心痛の想いに触れて参りました。
被災者の方々の深い悲しみは、察するに余りあるものがあります。 代表理事の佐多は、お子様をはじめ、お親しい方々を亡くされた皆様を少しでも慰めることができないかと思案しておりましたところ、 エヴァンス氏と親しくしておりましたこともあり、被災地にエンゼル像を寄贈できればとの想いに至り、以来、この像の建立にふさわしい場を探し続けて参りました。
2. 武山様との出会い
財団は、自立支援活動を続けて来た中で、東日本大震災で児童74名、先生方10名が死亡・行方不明となった宮城県石巻市立大川小学校のある同市大川地区で、 地元住民による慰霊碑建立計画が進んでいることを知りました。 その後、同校の傍に慰霊碑を建立するために資金集めをされている、 釜谷地区慰霊碑設立委員会代表の武山郁夫様の事が書かれた読売新聞(YOMIURI ONLINE)の記事を拝見したことがきっかけで、 武山様にお会いする機会を持つに至りました。
武山様は、震災当日、仕事で浜松方面におられ、難を逃れたそうですが、大川小学校を卒業されたお嬢様(当時19歳)や奥様、 ご母堂様は、車で避難していた途中で津波の被害に遭われ、犠牲となりました。
代表理事の佐多は、実際に大川小学校を訪問し、武山様のお話を伺う中で、この場所ほどエンゼル像を置くにふさわしいところは無いと実感した次第です。 今回、大川小学校へのエンゼル像寄贈は、武山様のご尽力無くしては実現しませんでした。 武山様は、同校PTAの皆様をはじめ、多くの関係者と協議をして下さり、同校内に慰霊碑の一つとしてエンゼル像を建立することを正式に許可して戴きました。
以上
カテゴリ:Staffレポート
2017年02月13日 08:36 admin