石巻市 湊小学校での炊き出しに参加されたボランティアの方のレポートをご紹介します。
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(Sさん・39才・男性 東京都在住の方より)
私は4月30日から5月1日にかけて、炊き出しなどに参加しましたが、報道等で見聞きするほど、被災地の復興は進んでおらず、海水のヘドロの臭い、ながされた瓦礫、車、船、損壊した家屋などの、被災現場の悲惨さを肌で感じました。
湊小学校に避難されている方は、1クラスの教室に、狭いながらも10数人の方が生活しており、区切りもなく、床の上の避難生活が1ヶ月以上も続いていました。また、下水路にはヘドロが溜まっているため、雨が降っても下水路に流れ込めず、周り一面に大きな水たまりができてしまう状況でした。
今後は瓦礫撤去や下水路清掃などが、まずは被災地の復興に向けて活動する必要があるのではと感じました。
(Mさん・37才・男性 神奈川県在住の方より)
参加する前は、自分にできることがあるのか確信をもてずにいたが、できる活動はたくさんあると感じた。
湊小学校の近辺、石巻港方面と、津波被害の大きかった地域を見て、現地へ足を運ぶという第一歩を踏み出すだけでも、何かを感じ、具体的な支援につながっていくのではないだろうかと感じた。言葉にできないほど、凄まじい状況を目の当たりにして衝撃を受けると同時に、失われたものの大きさから、私たちの日々の活動を支えているものの大きさを感じた。
しかし、子どもの頃から祖母、祖父に聞いた話によれば、おそらく戦後すぐはこのような壊滅的な状態であったのだろうし、その後、日本は復興できたから、今の社会が存在する。今まで私たちは、先人が努力した復興の成果を、享受してきたのだが、今度は私たちが、当事者として復興に努めていかなければならないと思う。
避難所にいる方でも、快く自主的に手伝ってくれる方や、喪失感からなかなか手伝う気持ちが奮い起こせない方もいました。ボランティアの方々は良心的な人が多く、場面によって起こる必要以上のお世話が、お世話される方の気力を尊重できていないと感じた。
本当に大変な時に手助けをすることは大事だが、やりすぎないことも肝心だと思った。
(Tさん・45才・男性 東京都在住の方より)
甚大な被害を受けた地区と、被害が軽微であった地区の格差で、町が分断されている感がありました。
前者では、炊き出しに人が集まるのに対し、後者ではスーパーで買い物をしています。
また、被害が甚大である地区でも、私が現地の方と話した範囲では、家を失った人とそうでない人との間に、
溝ができつつあるように感じられました。
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