2019.07.29 09:01
第8回自立支援シンポジウム「光に向かって‐国の成功のカギは若者たち Youth, key to success of a Nations‐」の開催 (3/16 2019 千厩国際倶楽部)
2019年3月16日(土)、千厩国際倶楽部にて「第8回 自立支援シンポジウム 光に向かって‐国の成功のカギは若者たち‐」を開催致しました。 今回のシンポジウムのテーマは「若者」です。
昨年の第7回シンポジウムより、我々は「若者」を焦点に合わせ活動してまいりましたが、 この1年間、児童養護施設のお子さん、千厩高校の生徒の皆様、東山中学の生徒の皆様と、様々なプログラムを通して交流してまいりました。
今回のシンポジウムは、今年千厩高校を卒業した鈴木さん、小野寺さんに司会進行を務めていただきましたが、 「若者」が主役のシンポジウムにふさわしい司会進行ぶりでした。 このシンポジウムを通して、我々の活動を皆様にご周知いただくとともに、参加してくれた「若者」たちが、 何かしらの気づきを得て、成長する機会になれば幸いです。
第1部では、我々の活動で恒例となっております「友達カレー」を参加者の皆様と一緒に作りました。 ほうれん草チキンとチキンバターマサラの2種類で、カレー作りは、参加者同士の親交を深める機会となりました。 悪天候のために当初は屋内で予定していた会食でしたが、奇跡的な回復のおかげで、屋外で自然を楽しみながらいただくことができました。
第2部は、千厩国際倶楽部横の120年の歴史ある蔵にてスタートしました。 この蔵は、最近モスクにリフォームされたのですが、シンポジウムでは、参加者の皆様に新しくリフォームしたモスクをお披露目するとともに、 実際の合同礼拝の様子を見ていただきました。
続けて、千厩国際倶楽部に戻り、アハマド・ファテラフマーンさんによりコーランの2章が朗読されました。 和訳も紹介され、そこには「宗教には強制があってはならない」と記されていました。その後、学生の皆様にいくつかのスピーチを披露していただきました。
千厩高校の生徒会の方々が千厩高校の歴史と教育内容についてプレゼンテーションをしてくださいました。 続けて、司会を務めていただいた小野寺さんに、地元ゆかりの源義経の恋仲にあった皆鶴姫にまつわる伝説を披露していただきました。 地元愛あふれる熱のこもったスピーチに大変感銘をうけました。
司会を務めてくださった鈴木さんと小山さん(千厩高校3年)からは、岩手県に誘致を進めている 大型研究施設International linear Collider(国際リニアコライダー)についてのスピーチを行なっていただきました。 ILCとは、一体どういったものなのか、そして地元にどのような恩恵がもたらされるのか具体的な数字を用いて説明してくださりました。 国際的な研究機関が岩手に設立されることは、震災からの復興の象徴にもなるはずです。
昨年の第7回シンポジウムの際も、素晴らしいスピーチをしていただいた佐藤さんには、今回「震災後に新たにうまれた心」と題したスピーチをしていただきました。 震災時に、せまりくる波を逃れ必死に生きようとしたにも関わらず亡くなってしまった人が2万にのぼります。 しかし一方で、毎年2万人以上の人が、自ら命を絶っている現状にご自身が嘆きを覚えているという、心の痛みを我々に共有してくださいました。 生と死について改めて考えさせられました。
我々の活動に地元からご支援いただいている岩本先生の娘さんで東京の高校に通われている岩本いぶきさんには、 少子高齢化社会や情報化社会などの日本の現代社会の問題を自身の海外経験を踏まえながらお話していただきました。 現代日本で生きるヒントを教えていただきました。
最後の学生によるスピーチは、陸前高田出身の菅野さん(美術大学2年)にご自身が経験した勇気と自立の物語についてお話いただきました。 震災後、お母さまを亡くされながら、お母さまの遺志を引き継ぎ夢に向かって力強く生きていることが伝わってくるスピーチに、私たちも励まされた思いです。
第3部は、困難を乗り越えた先駆者たちから「若者」へ向けたお話でした。 石巻市の武山さんは、震災でお母さま、奥様、娘さんを亡くされました。我々がはじめてお会いした当時、自殺したいとおっしゃっていたのです。 しかし、復興活動の一貫で、オランダ農法を取り入れたハウス栽培に取り組みながら、徐々に希望をとりもどし、今では、立派なトマトとパプリカを最新の栽培方法で育てていらっしゃいます。 さらに、今年は息子さんがご結婚され、またご自身も新たな奥様を迎えることになりました。 そんな武山さんからのメッセージはどんな困難も乗り越えた先には生きる希望が訪れるということでした。
陸前高田の米沢さんも災害によってご家族を亡くされました。ご自身は津波に飲み込まれる寸でのところで助かりました。 米沢さんからは3点困難を乗り越えるために重要なことを教えていただきました。 1つは、愛する人がいる。2つ目は、誰かに思われていること認識する。3つ目は、あるがままの自分を受け入れることでした。
はるばる吉里吉里からお越しいただいた高橋住職は、震災の被害にあった役場を震災遺構として保存する運動に取り組まれました。 結果は残念ながら解体が決まってしまいました。そんな高橋住職のメッセージは、誰しもが後悔をすることがある。 だからこそ、もし決断を先延ばしにすることになっても後悔を少なくする生き方をしようということでした。
そして代表理事の佐多からは、今後の日本を支えていく「若者」たちにはインターナショナルマインドをもっていてほしいと伝えられました。 今回のシンポジウムも、その目的意識が色濃くでたものでした。他者と違いを認めつつ自らの道を切り拓いていく「若者」がこの千厩国際倶楽部から将来でていくことを私たちは切に願うとともに、 その一助になるよう今後も活動をつづけてまいります。
今回シンポジウムにご協力いただいた皆様に厚くお礼申し上げます。 皆様のお力添えなくして、シンポジウム開催にはいたりませんでした。今後も皆様のお力を借りながら日々活動をつづけてまいります。
カテゴリ:Staffレポート
2019年07月29日 09:01 admin