2011.11.07 17:53
自立復興セミナー「光に向かって」の開催(10/29 一関市立川崎公民館)
10/29に開催しました自立復興セミナー「光に向かって」は、
陸前高田、大船渡、気仙沼、石巻における被災者の方々を含め、
宮城・岩手県内より約90名の方にご参加いただき、
会場全体が一体となる意見交換が行われました。
パネルディスカッションでのご意見を、一部ご紹介します。
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震災から7ヶ月を超えて
・郷愁は持ち続けなければならないが、未練は断ち切らねばと
気を振り絞っている。
・家族を失ったことは、本当に辛く、まだ受け止めきれていない。
しかし、その家族を奪ったのは自然です。人は人を大いに助け、
自分も救っていただいたことに感謝しています。悲しみに対する
気持ちの整理はついていませんが、今生きている人たちのため
に、何ができるのかを、ひたむきに考えています。
本格的な冬期を前に"決まっていない"現実
・気仙沼市内だけでも、まだ7000人の仕事が必要です。
仕事なくして地域の復興はあり得ないし、企業が立ち上がれ
ないと雇用は生まれない。雇用を創出する産業・企業に
対する支援を願って止まない。
・法的な問題(建築基準法の遵守)や瓦礫撤去に伴う省庁間の
役割分担が足枷になり、復興が進まないのがもどかしい。自助
努力ではどうにもならないことがネックになっている。
・仕事は、何とか働くためには職種転換も必要になることを
視野に入れている。この求職活動に対する、国や行政の
サポートがほしい。
地域の復興がめざすもの
・地域のライフラインも支える地場企業は、絶対に地域に
根ざして生きてゆかねばならないからこそ、地域と運命共同体
として生きています。我々地場企業がたたかっている相手は、
年商5兆円を超える大手同業他社ではなく、震災であることを
理解していただきたい。
・地域における役割を見出し、担おうとしている。自分では、自立
するうえで必要な考え方だと思っている。
ゼロから考える町づくり
・仮設住宅入居者の方々とのお茶っこクラブ(茶話会)を開いて
います。夕方クラブが終わると、皆で片付け、外を見れば
子どもたちが夕日を背に一斉に帰ってきて、お嫁さんらしき
人たちが買い物袋を下げ、「おかえり」「ただいま」と
声を掛け合う姿があります。
これは、私の住む藤沢町(岩手県)にはない姿。
藤沢町は、大きな家が点々とあり、皆独居で暮らしているから
です。震災前と変わらぬ藤沢町の過疎の暮らしに、今では
危機感を感じ、新しい町、新しい暮らしを作らなくてはならない
なら、今は本当に住みたい町や暮らしをつくれる
スタートラインにいると感じます。
また、お茶っこクラブには、復興についていけない方が
大勢いらっしゃいます。涙を流しながら歩く人がいても、
よいのではないでしょうか。そういった方にどう声をかけたらよいか、
復興から取り残さないためのチームづくりの必要性も感じています。
こどもの未来
・大人たちが四六時中、復興に夢中になっている姿を
こどもたちは見ています。最近の被災地の子らの
将来の夢は、警察官、自衛官、医師、看護師が
占めているといいます。この結果は、
将来を担う子どもの夢として健全で、ふさわしいものでしょうか。
私は、震災復興にも、過疎にも関係なく、せっかく世界の眼
・日本中の眼が東北に集まっているからこそ、こどもたちには
もっと世界を知る機会を与えてあげて、こどもたちの可能性を
考えるべきではないかと思います。
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他にも、ありのままの様々なご意見が交されましたが、
ディスカッションに一貫していたのは、
「どうしたら政府に働きかけ、復興できるのか」という論点です。
これに関し、コーディネーターの吉水氏は、
「ボランティアのもつ無償的・公益的・自発的な性質が
一番のエネルギーになるのではないか」と投げかけ、
ボランティアが自発的であるがゆえ、人と人とが草の根運動的な
拡がりをもてば、そのボランティアを統括するような組織となり、
従来の制度とは別の、理念をもった新しい民主運動
となり得るのでは、との言葉で、会は締め括られました。
連帯東北は今後も、被災地の自立支援と復興に向け
協調・協力をしてまいります。
カテゴリ:Staffレポート
2011年11月07日 17:53 admin